“グルテンフリー”とは、“小麦を極力食べない食生活を送る”ことですが、保育園栄養士である筆者としても、小麦をアレルギーとしてする園児用に、食事やおやつの代替え対応に四苦八苦する日も少なくありません。
このように、日本で“グルテンフリー”といえば、アレルギー対応のイメージが根強いですが、最近では海外のセレブたちがこぞってダイエットや美容のひとつとして“グルテンフリー”を取り入れているんです。今日は、実はママだけでなく、子どもにも良い“グルテンフリーな食生活”についてご紹介します。
■セレブ達が“グルテンフリー”なワケ
『グルテン』とは、小麦やライ麦、大麦に含まれる“タンパク質”の一種のことで、パンやケーキにモチモチ感を与え、生地を膨らませる効果があります。
しかし、グルテンの中に含まれる『グリアジン』という成分は、脳内で麻薬のような働きをして食欲を刺激することがわかっており「食べだすと止まらない!」という現象を引き起こすことがあるのです。パンやケーキなどを食べて、実際に「まだまだ食べられる! 止まらない!」という経験をしたことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか?
また、麦類に含まれる『アミロペクチンA』というでんぷん質も、血糖値を上げ、肌の老化を進行させる原因“糖化”作用をも促してしまうため、セレブたちは“グルテンフリー”を心掛けているんでしょうね。
■グルテンが含まれている食品にはどんなものがあるの?
それでは、ダイエットと美容に良くないグルテンは、どんな食品に含まれているのでしょうか?
1)パン、麺類などのご飯以外の炭水化物とケーキやクッキー
2)衣に小麦粉を使用している揚げ物
3)そば(10割そばならOK)
4)醤油
5)ビール
6)小麦がまぶされているフライドポテト
大まかに、以上の6種類です。全てを除去することはなかなかできないと思いますが、まずは1を食べないようにするだけでも、十分に変化を感じられるはずですので、気になるママは試してみては。
■グルテンフリーは「離乳食」にもオススメ
実は、ダイエットと美容だけではなく、赤ちゃんが食べる離乳食にもグルテンフリーは最適なのです。
日本では、離乳食の開始は 5~6ヶ月頃からですが、早い方だと、この10日後くらいにうどんやパン粥を導入する方もいらっしゃいます。しかし、パンには小麦だけではなく、少量のバターや塩、場合によっては卵も含まれており、うどんにも塩が含まれています。
このようなパンやうどんを小さい頃からあまり食べさせすぎると、その味を覚え、味のあまりしない「お粥」を好んで食べなくなってしまいます。結果として、早い段階から、味の濃い食事を好むようになり、将来の生活習慣病にも大きく繋がっていくのです。
ですから、小麦類は、離乳食が始まってから焦って食べさせることはありません。
離乳の目標は“1歳になった時点で、出来る限り多種類の食材を、アレルギー反応を起こさずに食べられるようにすること”ですから、離乳が始まってから、半年の中で、少しずつ食べられるものを増やしていけば良いのです。
お子さんに負担のかからないよう、アレルギーの起きやすいタンパク質類は様子を見ながら少しずつ、野菜類はなるべく多種類を食べさせるなどして、小麦開始は、お子さんの様子を見て、離乳開始3ヶ月前後を見てあげるのがオススメです。
グルテンには、食物繊維をはじめ、鉄分や亜鉛などのミネラル、ビタミンB類など体にとって大切な栄養素も含まれているので、必ずしもグルテンフリーが良いという訳ではありません。
しかし、主食がパンに変わったことで、主菜がお肉になり高カロリーな“食の欧米化”へと繋がったこともまた事実。お子さんが小さいうちは、“グルテンフリー”週間などを取り入れ、お米を楽しんでみる1週間を毎月作るなどしてみてはいかがでしょうか?