ある年の国民栄養調査で「20代の4人に1人が朝食をとっていない」という結果が出ました。
「朝食はほとんど抜きで、昼間はそばか丼ものを食べ、夕食は遅い時間にドカ食いをする」というのが現代日本人の典型的なパターンとも言われていますが、これは肥満へ一直線の最悪の食事スタイルです。
また、小中学生を対象に「朝食を食べる人」と「食べない人」のその後をくらべると、朝食の回数が少ない子供ほど、成長してから肥満になるという結果も出ています。
朝食をとったほうがダイエットにいいのは事実のようです。
……しかし、なぜなのでしょうか?
それは、朝食をきちんととると胃腸のスイッチが入り、胃腸が活発に活動を始めるのでカロリーを消費しやすくなるからなのです。
これを「食事誘発性熱産生」と言います。
これが、「基礎代謝を上げる」ことにつながります。基礎代謝とは、「運動をしていなくても、細胞を維持するためだけに消費されるカロリー」のことです。
朝食をとることが、腸の活動を活発にして基礎代謝を上げ、「太りにくくやせやすい体質」を作るための第一歩になるのです。
朝ごはんを「食べる」ことが、ダイエットにつながるという点はちょっと不思議な気もしますね。
ただ、むやみやたらに朝食をとると、集中力が下がります。
朝食は、食物繊維たっぷりの野菜や果物、大豆製品、ヨーグルトなどの乳製品を中心にバランスよく食べましょう。
◇プロフィル
澤田彰史(さわだ・あきふみ)。東京警察病院医師、美肌マスター。日本抗加齢医学会専門医、NPO法人日本サプリメント評議会評議員。同院以外でも、形 成外科・美容外科から、寝たきり老人の訪問診療まで幅広く医療に従事。「世界一受けたい授業」(日本テレビ系)などのテレビや、雑誌・新聞の連載も受けも つ。“かしこくむだなく、シンプルアンチエージング”をテーマに、ドクターズコスメやサプリの企画開発を行う「ARGON Co.Ltd」の顧問医も務めている。