(CNN) 同じウオツカベースのカクテルでもダイエット飲料で割ると、通常の炭酸飲料 を使った場合よりアルコールが回りやすくなるとの研究結果が、このほど発表された。ダイエット飲料入りのカクテルは胃を早く通過する性質があり、アルコー ルが体に吸収されるペースが早くなるのが原因とみられている。
米ノーザン・ケンタッキー大学の心理学者らが男女学生各8人を対象に実施した研究を、アルコール依存症治療の専門誌で紹介した。
対象者はいずれも、付き合い程度に酒を飲むタイプ。それぞれ研究室を2回ずつ訪れてカクテルを飲んでもらい、アルコールの影響を調べた。
1回はウオツカと人工甘味料の入ったダイエット炭酸飲料、もう1回はウオツカと砂糖入り炭酸飲料を混ぜたカクテルを、いずれも約10分間で飲み干すよう指示した。
1回当たりのアルコール量は、通常だと血中アルコール濃度が飲酒運転すれすれのレベルに達する量にそろえていた。ところが飲んだ後で呼気検査を実施したところ、ダイエット飲料で割ったカクテルの場合だけ、法定レベルを超えるアルコールが検出されたという。
また、コンピューターを使って運転中の状況を再現し、反応の速さを調べる検査では、ダイエット飲料割りを飲んだ時の方が反応が遅かった。
結果として、ダイエット飲料で割った場合の酔い方は、実際の2割増しのアルコールに相当することが分かった。ただし、本人たちは違いを全く自覚していなかった。
実際に酒場などで客の酔い方を観察し、同様の傾向がみられたとの報告もあるという。
研究者らによると、ダイエット飲料は胃を素早く通り過ぎてしまうため、血液中にアルコールが吸収されるペースも早い。一方、砂糖入りの飲料は食べ物と認識されてじっくり消化されるため、アルコールもゆっくりと吸収される。この違いが回りやすさとして現れるようだ。