ダイエットに関するアドバイスは大抵カロリーや栄養素を中心としたものだが、何時間食べることができるかも重要である可能性が新たな調査で示された。
生物医学系の研究を手掛ける米ソーク研究所のサッチダーナンダ・パンダ准教授が行った新たな調査で、食べる時間を制限されたマウスの方が好きな時に食べることを許されたマウスよりもやせていたことが明らかになった。どんなに体に悪いものを食べていても結果は変わらなかった。
パンダ博士によると、減量では食事のスケジュールが決定的な役割を果たす可能性があることが分かった。また、食事時間を制限したマウスは筋肉の量も多く、コレステロール値も低かったという。週末は「ずる」をして食べたいときに食べることが許されていたにもかかわらずだ。
こうした調査結果は断食ダイエットの人気の高まりには理由があることを示している。2012年にベストセラーになった食事をとる時間を1日8時間以内に制限するダイエット法についての「The 8-Hour Diet(8時間ダイエット)」は、パンダ博士の調査に一部基づいている。1週間のうち5日間は好きなように食べ、2日間は断食する「5:2ダイエット」も同様の調査から導き出された方法だ。
「8時間ダイエット」の共同著者であるデービッド・ジンチェンコ氏は「断続的な断食の効果に関して行った研究を知ったことがきっかけとなり2011年に研究を始めた」と話す。数日間連続で絶食する断続的な断食は非現実的だと考え、食事時間を制限するプランを考案したという。同氏は執筆に当たって150人のボランティアに8時間ダイエットを実行してもらい、その過半数から体重が減ったとの自己申告を受けた。
ニューヨーク市のマウントサイナイ病院の研究開発ディレクターで肥満を専門とするクリストファー・オクナー氏は、マウスを使った調査が人間には当てはまらないケースが多々あり、時間制限に関する調査もその一例かもしれないと注意を促した。さらに、古くからある「カロリーに始まり、カロリーに終わる」という考え方の方が、1日何時間食事をするかや何時に食事をするかよりも健康には重要だと述べた。
時間制限が人間にも有効だとすれば、朝食はとらず、代わりに夜遅く食事をする人の方がそうでない人よりも、はるかにやせているはずだという。しかし、観察の結果、実際はそうでないことが明らかになっており、朝食を抜き夜中に食べたことで体重が減った人と減らなかった人は、「相半ばしていた」とオクナー氏は指摘した。
生命科学の学術誌「セルメタボリズム」に12月に掲載されたパンダ博士の最新の調査では、肥満のマウスを二つのグループに分け、一つのグループは、いつでも食べられるようにし、もう一方のグループには1日のうち9、10、12、15時間という一定の時間内に限って食べることを許した。両グループとも同じように脂肪や果糖の高い食べ物など不健康な食事が与えられ、出された食べ物は全て食べたという。
食事時間を制限されたマウスも一定の時間内であれば好きなときに食べることができたため、食事の量や間食の頻度による影響は確認しなかった。
ソーク研究所の研究員でパンダ博士と共同で調査を行っているアマンディーヌ・シェ氏は、時間制限摂取の効果は断食時間の長さに比例すると話す。食事できる時間が短ければ短いほど、マウスの体重は落ちていた。
その一因は制限されたスケジュールが体の概日リズム、すなわち体内時計と合っていたことにあると研究者らは考えている。つまり、体が効率よく食べ物を消化できるときに食事を取っていたことがマウスの体重減につながった。コレステロールは、起きるときに分泌される酵素によって制御される胆汁で分解される。このため目が覚めるとすぐに食べ始めたマウスは、コレステロールを効率的に分解することができ、好きなときに食べることのできたマウスは肝臓が適切にグルコース(ブドウ糖)の生成を制御できず血糖値を上昇させ体にダメージを与えたと推測している。