体を張って県民の安全を守らなければならない警察職員に健康は不可欠。
ところが、昨年度の健康診断で、神奈川県警の警察職員の約4割が肥満だということが分かった。
そんな状況から抜け出そうと、県警は新しい本格的なダイエット計画を今月からスタートした。厚生課は「県民を守る前に、まず警察職員自身が健康になることが大事」と、インストラクターを派遣してエアロビクスなどの講習を行っている。
体重を身長の2乗で割った肥満度(BMI)でみると、昨年度の健康診断で肥満を示す数値25以上の警察職員は約6770人と全体の38・7%を占めた。平成20年度以降、38%前後で推移しており、厚生労働省が示す20~50代の男性の平均約32%、女性の平均約16%を大きく上回っている。
肥満が多い理由について、厚生課は「警察官は昼夜問わず働くことが多く、生活が不規則になりがち。普段から気を遣わなければ体型維持は難しいのでは」と分析する。
同課は昨年度までの4年間は、歩数計を配り計画的に歩いてもらう取り組みを実施した。だが、参加者がわずかで効果も表れていなかった。
そこで、今年度は13日から県警本部や54警察署などにスポーツインストラクターらを派遣し、エアロビクスやストレッチ、ヨガの講習を開始。日常の習慣として取り入れられることに重点を置き、自宅で続けられる食生活改善や呼吸法などの指導を受けている。
14日には鉄道警察隊の隊員らが肩こりや腰痛に効くストレッチ法や、器具を使わずにできる筋トレ方法などをインストラクターから学んだ。日ごろ運動不足の人もおり、参加者からは「体が硬くなった」「筋力が落ちた」などの声が聞かれたが、健康で強い警察官になるため真剣な表情で講習に取り組んでいた。
ダイエット期間は11月まで続き、BMI25以上の肥満の警察職員を全体の30%以下にすることが目標。厚生課の石渡義行課長代理は「いざというときに動けなければ意味がない。健康になって治安を守れる警察になる」と意気込んでおり、結果が注目されている。