秋の味覚として人気の高いきのこだが、特に今年は空前の“えのきたけ”ブーム。NHKの情報番組『あさイチ』(10月2日放送)で、えのきのダイエット効果が紹介されたのをきっかけに注目を集めている。
きのこ研究の第一人者である東京農業大学教授の江口文陽さんが行った実験では、えのきに多く含まれるキノコキトサンによって体脂肪量が2か月で1kg以上落ちるという結果が出ている。江口さんのもとには次のような声が届いているという。
「週に2回お通じがあればいいというほどの便秘症でしたが、えのきを毎日摂取したことで、今では2日に1回のペースになりました。体重もいつの間にか3kg減っていたので驚きです」(36才女性)
ある48才の女性は、えのきを毎日食べ続けたところ、1年間で洋服のサイズが13号から9号に、ウエストサイズも70cmから61cmになったという。
これだけの効果が実証されているえのき。普段の食生活に取り入れる際に、効果的な方法はないのだろうか。日本薬科大学教授の渡邉泰雄さんによると、秘訣は“干す”ことだという。
「天日干しにしてできる限り乾燥させ、さらにハサミで細かく切ることで、えのきの細胞壁が壊れやすくなるため、その中に含まれる内臓脂肪を減少させ る効果のあるエノキタケリノール酸の抽出が大幅にアップします。天日で6時間以上干したものを、2日間ほど湿気を避けて風通しのいい場所に置いておくのが 理想的ですね」(渡邉さん)
また、天日干しにはこんな効果も。
「えのきたけにはカルシウムの吸収を促進する働きを持つビタミンDが含まれていることが知られていますが、2時間干すだけでその量が2倍に増えま す。2時間干しても乾燥しきれないので、干す時間を増やしたり、7~8分から煎りして水分を飛ばすといいでしょう。骨粗鬆症の予防にもなり、40代以上の 女性におすすめです」(江口さん)
この“干しえのき”は、市販されている1袋200gのえのきを干すことで約5gできる。そのまま食べてもOKだが、1日の摂取量は、この5gで充分だそう。
ただし、えのきにはカリウムが多く含まれるため、高カリウム血症や腎機能が低下している人、食物繊維が多いので過敏性腸炎などの人は、体に負担がかかるため控える必要がある。
これから冬にかけて、食べ物がおいしい季節。ついつい食べすぎてしまう人も、えのきを食べて肥満を予防しよう。
※女性セブン2012年11月1日号